プレデターかスカベンジャーか

ティラノサウルスの骨格を見ると頭骨ががっしりしていてかむ力が相当強かったことがうかがえる。これは現在でも死肉をあさるスカベンジャーの動物にみられる特徴だという。一方ティラノサウルスの歯は断面がDの字の形をしているが、これは中国で発見された羽毛のある恐竜とそっくりで、すくなくとも子供は全身が羽毛で覆われていたと推定されている。ティラノサウルスの骨の断面には年輪が見られ15歳くらいまではゆっくり育つが10代後半に毎日2㎏と急速に大きくなり成人の体になったとみられる。子供時代のティラノサウルスは足が長く軽快に走れるプレデターだった可能性がある。カナダのバッドランドで発見されたティラノサウルスの化石は年齢の異なる群れが固まって発見されていて、ライオンのようなチームで狩りをしていた可能性が示唆されている。つまり足の遅い親が隠れて待ち伏せしたところへ、足の速い子供が獲物を追い込むのだ。トリケラトプスのような草食恐竜でもティラノサウルスの親なら仕留められそうだ。(BSプレミアムアーカイブスによる)