睡眠中断で肥りやすくなる?

Hursel R. Rutters F. et al. Effects of sleep fragmentation in ealthy men on energy expenditure, substrate oxidation, physical activity, and exhaustion measured over 48h in a respiratry chamber. Am J Clin Nutr 2011; 94: 804-808
健康な男性15名に呼吸測定室に入ってもらい2日ずつ睡眠の質とエネルギー消費を測定した。呼吸測定室というのはガスの出入りを測定できる密閉された部屋で、小動物の代謝の実験に使われるメタボリック チャンバーのヒト版である。睡眠の質は脳波をモニターして徐派睡眠、REM睡眠を検出し、断続睡眠の日には刺激によって睡眠を中断する。対照の日には中断しない。これを同じ人で行い比較した。当然だが中断されるとトータルの睡眠時間、徐派睡眠、REM睡眠の時間が短縮する(P<0.001)。総エネルギー消費は中断と対照で差がない。活動誘発性エネルギー消費(AEE)、身体活動度、疲労感、眠気、呼吸商(RQ)、炭水化物酸化は睡眠中断の時が有意に増加した。RQは脂肪を燃やす率が高いと下がるのでRQが上がることは脂肪の燃焼が減っていることを意味する。睡眠が中断すると疲労感と眠気は増すにもかかわらず活動度は逆に増加し、そのエネルギーは脂肪より炭水化物に依存する率が高くなる。
徹夜続きでいらいらすると妙にあまいものが食べたくなったりしませんか?米国での肥満の増加は仕事を掛け持ちして睡眠時間を削る人が増えた時代と一致している。睡眠不足が肥満を誘発するのでは?という仮説に基づいた仕事。しかし個人的感覚では睡眠が極端に短くなると食べる量は増えるがむしろやせる。どっちが本当なんだろう?