高血糖はTXNIPを介してIL-1βを増やす?

Koenen TB., Stienstra R. et al. Hyperglycemia activates caspase-1 and TXNIP-mediated IL-1beta transcription in human adipose tissue. Diabetes 2011; 60: 517-524
TXNIPはVDUP1とも呼ばれビタミンDの作用と高血糖で増えるタンパクである。もともとチオレドキシンと結合してチオレドキシンの高酸化作用を調節するものとみられていた。高脂肪血症を呈するH19という変異マウスがTXNIPの異常を持つことが明らかになっている。TXNIPはインフラマソームのNLRP3と結合することが知られている。ob/obマウスの脂肪組織ではTXNIPが高発現している。ヒトの脂肪細胞を高グルコースにさらすとTXNIPの発現が10倍に高まる。同時にcaspase-1の活性が10%高まる。IL-1βの転写も活性化する。TXNIPに特異的なsiRNAを用いたりPPARγの刺激薬を用いてTXNIPの発現を減らすことができる。この方法でTXNIPの発現を減らすと活性化するまえのpro-IL-1βの細胞内レベルが低下した。
pro-IL-1βがインフラマソームで活性化したcaspase-1で切断されて分泌される。TXNIPとNLRP3の結合が高血糖と炎症の関係をつなぐとするとpro-IL-1βの転写のレベルよりはむしろ活性化のところに効いていてほしい気がするが。実際に実験してみたら切断されたIL-1βが思ったほど増えなかったということなのかな?