NLRP3インフラマソームを活性化する抗生物質

Allam R., Darisipudi MN. et al. Cyclic polypeptide and aminoglycoside antibiotics trigger IL-1β secretion by activating the NLRP3 inflammasome. J Immunol 2011; 186: 2714-2718
ネオマイシン、ポリミキシンB、冠状ペプチドタイプの抗生物質(gramicidin、tyrothricin)は骨髄樹状細胞とマクロファージからIL-1βを放出させる。前駆体のプロIL-1βのmRNA合成とタンパク質への翻訳にはLPSの刺激が必要である。上記の4種の抗生物質のIL-1β分泌促進作用はNLRP3インフラマソームの構成部品であるASC、カスパーゼ-1を必要とした。4種の抗生物質はマウスに打つと腹腔に好中球の浸出を誘発し、ポリミキシンの場合はNLRP3を必要とした。
自然免疫を活性化することは抗生物質としての作用に矛盾はしないが、敢えて言うと炎症を強くして獲得免疫の作用を強化しているかのような雰囲気。ポリミキシンなど自分ではとても使って欲しくない薬だが(だいたい白血病の治療などでカビが生えそうになったときのもの)この論文の話を聞くとますますそう。