聴覚と視覚ではビートの認識が異なる

Grahn JA, Henry MJ and McAuley JD. FMRI investigation of cross-modal interaction in beat perception: audition primes vision, but not vice versa. Neuroimage 2011; 54:1231-1243
耳で聞くビート(拍動性の刺激)と目で見るビートの脳内の処理は異なっているのか?機能性MRI(fMRI)を用いて拍動性の音刺激と視覚刺激に対する反応を記録した。拍動のテンポを微妙に早くしたり、遅くしたときに認識できる閾値を感度として記録した。視覚刺激よりも聴覚刺激のほうが微妙なテンポの違いを認識する閾値が低かった。視覚刺激のテンポと同期した聴覚刺激を先行して与えると視覚刺激の拍動はより強い反応を示した。聴覚刺激の場合は視覚刺激を同じテンポで先行させても変化しなかった。以上のことは内的な拍動の生成に基底核が関与していること、拍動性の視覚刺激を与えることで内的な音のビートが生成されていることを示唆する。