ビタミンDと死亡率

Michaelsson K.,Baron JA. et al. Plasma vitamin D and mortality in older men: a community-based prospective cohort study Am J Clin Nutr2010; 92: 841-848
ビタミンDは骨の健康だけでなくがんや心血管疾患とも関連がある。スウェーデンで高齢男性を対象に血中ビタミンD濃度と死亡率の関係を調べた。登録時の平均年齢71歳の男性1194名を中央値で12.7年フォローした。584名(49%)の死亡を認めた。死亡率と血中ビタミンDとの間にはU字型の関係が認められた。もっとも低い10%と最も高い5%では死亡率が50%高かった。がんの死亡率は血中ビタミンDの低い方でハザード率2.2倍、高い方で2.64倍だった。心血管疾患については低い方のみハザード率が1.89倍だった。
ビタミンDは種々の遺伝子の発現に影響するので中庸が大事なようだ。これまでビタミンDを補充することで心血管疾患を予防できるかについては成功していない。1型糖尿病とも関係する可能性がある(日光の乏しい北欧では1型糖尿病が多い)。