レスベラトロールは脂肪を減らすらしい

レスベラトロールはブドウの皮に含まれる色素でSirt1を活性化する。Sirt1の活性化は食事制限と同様の寿命延長効果があると考えられている。一方レスベラトロールの作用はSirt1以外にもあると考えられている。ヒトの脂肪細胞へのレスベラトロールの効果を調べるのと同時にショートヘアピンRNA(相補性のあるmRNAを壊して特定の遺伝子の発現を減らす手段の一つ)を用いてSirt1の発現を減らしたらレスベラトロールの効果が変わるか?が検討された。レスベラトロールはヒトの脂肪前駆細胞の分化を抑制した。これはSirt1の作用を介していた。脂肪細胞ではレスベラトロールグルコースの取り込みを促進し、インスリンの作用も増強した。新規の脂肪合成は抑制され、脂肪合成に必要な遺伝子の発現も低下した。脂肪細胞からは炎症性のサイトカインも放出される。レスベラトロールは脂肪細胞からのIL-6とIL-8の発現と放出を抑えた。この作用はSirt1の発現を抑えた細胞でも同様であった。
Am J Clin Nutr 2010; 92: 5-15 Fischer-Posovsky P., Kukulus V. et al. Resveratorol regulates human adipocyte number and function in a Sirt1-dependent manner