遺伝子と環境の相互作用

Cadwell K., Patel KK. et al. Virus-plus-susceptibility gene interaction determines Crohn's disease gene Atg16L1 phenotypes in intestine. Cell 2010;141:1135-1145
Crohn病のかかりやすさを決める遺伝子は複数あるが、その一つのAtg16L1に異常を持つマウスも全てが腸の炎症を起こすわけではない。マウスのロタウイルスに感染すると腸の免疫細胞であるパネート細胞の顆粒の異常と遺伝子発現パターンの変化を起こす。腸に障害を与えるデキストラン硫酸ナトリウムを投与するとクローン病に似た病変を生じる。この病変はTNFαとIFNγに依存していて、広範囲スペクトラム抗生物質で阻止できる。Atg16L1遺伝子に異常があるだけでは疾患を起こさないのは、ウイルスや腸内細菌を含めた環境との相互作用が必要だから。