ビタミンB1は糖尿病の心不全を予防するか?

Katare RG, Caporali A et al. Vitamin B1 analogue benfotaimine prevents diabetes-induced diabetolic dysfunction and heart failure through Akt/Pim-1 mediated survival pathway: Circulation:Heart Failure 2010;doi:10.1161/CIRCHEARTFAILURE.1090903450
インスリンの欠乏したストレプトゾトシン糖尿病と肥満によるob/obマウスで心機能を調べた。拡張機能、収縮機能ともに障害されていた。ベンフォチアミンを70mg/kgのませる心機能が改善し、心筋細胞のアポトーシスと繊維化が減少した。糖尿病マウスではAkt/Pim-1によるサバイバル機能がAktのO-NAcグルコサミン修飾により低下する。ペントースリン酸経路も低下し、酸化ストレスの増加と糖化終末産物の増加が起こる。STAT3のリン酸化の低下も見られる。ベンフォチアミンはトランスケトラーゼに作用して基本的にはペントースリン酸経路を活性化する薬だが、上記の異常をすべて改善したという。…まあちょっとうまくいきすぎの感じはするが。