miRのプロセシングの変化

糖尿病患者と糖尿病モデルマウスでは血小板のmiRNAの発現レベルが下がっている。このうちmiR223はkindlin-3というタンパク質と凝固因子のXIII-Aの発現を制御しておりmiR223をノックアウトしたマウスではこれらの発現が増える。これにより血小板の凝集がいくらか促進され大きな血栓ができやすく血栓の溶解も遅くなる。糖尿病でmiR223のレベルが下がる原因としてmiRNAのプロセシングに関係するDicerというタンパク質がタンパク分解酵素のカルパインで分解されてしまうためだという。つまりカルパイン阻害剤が糖尿病患者の血栓を予防するかもしれないというお話。Dicer Cleavage by Calpain Determines Platelet microRNA Levels and Function in Diabetes
Amro Elgheznawy, Circulation Research. 2015; 117: 157-165