希望があれば

著者の父で1925年生まれのシベリア抑留者の聞き書き。戦争中だけでなく、戦前戦後を含めた社会史になっている。自分の経験を書き残すことの無い普通のひとたちの記憶はオーラルヒストリーとしてまとめておかないと彼らの死とともに消え去ってしまう。朝鮮籍の軍属で著者の父とともにチタに抑留されていた兵士への補償を拒否する国はこうした声が死に絶えていくときを待っているのだろうか?