あかちゃんのときからメタボ予防

Finlandで5か月の赤ちゃんをリクルートして6か月から健康的な食事の指導を行う研究が1990年から開始された。1990-1992年の間に1062名の赤ちゃんが参加し、介入群540名と対照群522名にランダムに振り分けられた。介入群では飽和脂肪酸不飽和脂肪酸に変えること、全粒の穀物を使うこと、野菜と果物を増やすこと、塩分摂取を減らす方法が少なくとも2年ごとに指導された。決まった食事を指導するのではなく、小児の実際の食事記録をもとに具体的な改善方法が指導された。7歳までは親に指導が行われ、以後徐々に子供本人に指導が行われた。禁煙指導は8歳から行った。この介入で子供のメタボリックシンドローム(MS)が減ったかというと、有意に減少した。15歳時と20歳時のMSの頻度は介入群では6.0%、7.5%であり対照群では10%と14%だった。長期的なMSのリスクは介入群で0.59倍(95%信頼限界0.4-0.88)だった。高血圧は男女ともに、高中性脂肪は男性で有意に低下した。いっぽう腹囲がMSにひっかかるリスクは低下したものの有意ではなかった(0.78倍:95%信頼限界0.59-1.03)
Metabolic Syndrome From Adolescence to Early Adulthood
Effect of Infancy-Onset Dietary Counseling of Low Saturated Fat: The Special Turku Coronary Risk Factor Intervention Project (STRIP)
Mari Nupponen Circulation. 2015; 131: 605-613