カブグラ症候群

「うちのひとが最近カプグラ症候群になったのよ。」
「そりゃたいへんね…ていうかカプグラ症候群ってどんな症状?」
「良く知っているはずのものが、見かけはおなじだけど別のものに置き換わっているって感じる病気なの。」
「おたくの御主人は何を偽物と思っているわけ?」
「わ・た・し・よ。『どこのどなたか存じませんが私のようなつまらないものの相手をしていただいて誠にありがたく存じます。』なんて言うのよ。」
「それって病気のふりして正気じゃないの?」
「さあー?でもあらためて新鮮な魅力を感じるというわけでもないみたいよ。」