「浮気」の効果(NatureのNews and viewsから)

Gerlach, N. M., McGlothlin, J. W., Parker, P. G. & Ketterson, E. D. Proc. R. Soc. B http://dx.doi.org/10.1098/rspb.2011.1547 (2011)
バージニアにいるjuncoという小鳥の繁殖を17年にわたって追跡した。小鳥を捕まえて採血し、遺伝子解析で親子関係を決定する。一日一婦制のつがいを作る小鳥にも「浮気」でできた子が巣の中にいるもので、そのような行動が進化的に意味があるのか?という研究。「浮気」でできた子はオスメスともに次世代の子供を作る数が多いという。浮気から生まれたオスはやはり配偶者以外のメスに卵を産ませる数が多いが、自分の相手に他のオスがちょっかいを出すのを守る率は変わらない。浮気からうまれたメスの方はよい母親となって自分のつれの子供をたくさん産んで育てる。どうもこれはメスの魅力が高くてもともといいオスを相手にしているのでわざわざほかのオスを相手にする必要がないかららしい。実際相手のオスもよく子供のめんどうをみる。ということを眺めてみるとメスにとってはたまたま一緒になった相手がいまいちだと「浮気」でより魅力的なオスの遺伝子をもらってきた方が孫世代の子孫が多くなるので得だ、ということらしい。などというと身もふたもないが、集団としての遺伝的多様性を維持しながら手のかかる子供の養育のための両性の協力体制も維持するというすぐれた(?)仕組みだともいえる。