3枝病変の冠動脈疾患はカテーテルよりバイパスのほうがいい SYNTAXスコアが低くても

SYNTAX研究で冠動脈疾患が3枝病変の場合はバイパス手術(CABG)のほうがカテーテルによる拡張(PCI)より予後がいいと報告されていた。日本の多施設でPCIとCABGによる患者の予後をSYNTAXスコアを後日計算して比較した。2005年から2007年に1825名がPCI、1156名がCABGを受けた。CABGの患者は糖尿病とインスリン使用が多く、有意に高齢だった。SYNTAXスコアはPCI群98.2%、CABG群88.2%で計算が可能だった。平均スコアはPCI群が23.6、CABG群が30.0だった。スコアを23未満、23-33、33以上に分けると死亡・脳卒中心筋梗塞のハザードレシオは(補正しないで)1.26、1.21、1.68といずれもPCI群が高く、スコアが33以上では有意差があった。(糖尿病などのリスク因子で)補正を行うとSYNTAXスコアが23未満の低スコア群でもPCIのほうが有意にハザードレシオが高く1.66倍だった。高スコア群では1.59倍だった。以上から3枝病変の患者では手術に向かない理由がない限りCABGを優先すべきである。
Shiomi H、Tazaki J.ほか Comparison of three-year outcome after PCI and CABG in triple vessel coronary artery disease. CREDO-Kyoto PCI/CABG regisry cohort-2 presentation at ESC congress 2011 AHA