高タンパク食(アトキンスダイエット)の限界

Effects of supplemented isoenergetic diets differing in cereal fiber and protein content on insulin sensitivity in overweight humans Am J Clin Nutr 2011; 94: 459-471
高タンパク食はやせるのには効果があるがインスリン抵抗性のもとになる。食事の一部を等カロリーの補助食(サプリメント)に置き換えてインスリン感受性がどうなるかをインスリンクランプテストで調べた。111名の肥満者を4つのグループのいずれかに割り当てた。通常群、高タンパク群、高シリアル繊維群、混合群である。18週にわたってサプリメントによる食事をつづけた。84名が18週の研究を完遂できた。タンパク質、炭水化物のカロリーの割合と食物繊維量は6週間の時点で通常群17%、52%、14g、高タンパク群28%、43%、13g、高シリアル繊維群17%、52%、43g、混合群23%、44%、26gだった。18週の時点でもほぼ同様だった。クランプテストでみたM値(インスリン感受性を表す)は6週間の時点で高シリアル繊維群4.61±0.38に対して高タンパク群は3.71±0.36(P=0.008)だった。18週の時点ではいくぶん効果が弱まったが、おそらく高タンパク食では遵守率が下がったことが原因らしい。アミノ酸によるインスリン抵抗性は翻訳開始因子のセリンキナーゼ6-1(S6キナーゼのことか?)によると考えられ、高タンパク群ではこの発現量が増加していた。