ビタミンDがインスリン分泌を改善

Effects of vitamin D and calcium supplementation on pancreatic beta cell function, insulin sensitivity, and glycemia in adults at high risk of diabetes: the calcium and vitamin D for diabetes mellitus (CaDDM) randomized controlled trial. Am J Clin Nutr 2011; 94: 486-494
92名の肥満した成人を4群に分けてビタミンD2000IUまたはカルシウム400mgまたは両方を飲んでもらい16週後にIVGTTでディスポジション指数(血糖を処理する能力の指数)を測定した。参加者は平均57歳、BMI32の肥満者だがHbA1cは5.9%で明らかな糖尿病ではない。カルシウムはディスポジション指数に影響しなかった。ビタミンDを摂取した群はこの値が300±130改善したが、飲まなかった群は−126±127低下した。この差は主にインスリンの分泌によっていて、ビタミンD群は62±39 mU/L/min改善したのに対して飲まなかった群は−36±37 mU/L/min低下した(P=0.046)。HbA1cの増加はビタミンD群で低かったが有意差にはいたらなかった。
コミュニティーで実際にビタミンDを多数の人に飲んでもらって糖尿病が減るかという研究はこれまでうまくいっていない。個人レベルでどうかはビタミンDの過剰摂取による高カルシウムに注意して行う必要がある。