筋肉のインスリンシグナルが遮断されるとどうなるか?

Long YC., Cheng Z et al. Insulin receptor substrats Irs1 and Irs2 coodinate skeleteal muscle grwoth and metabolism vai the Akt and MAPK pathways Mol Cell Biol 2011; 31: 430-441
IRS1,IRS2の両方を筋肉でノックアウトすると骨格筋の発達が障害され拡張性心筋症様の異常を呈して生後3週間という早期に死亡する。筋肉のAkt→mTorシグナルが大幅に阻害されている。mTorによる4EBPのリン酸化が障害されるからタンパク合成が落ちる。Foxoに依存したatrogenの発現が増加してオートファジーで分解された細胞内タンパクが増えアミノ酸の放出が増える。筋肉のグルコース利用が酸化から乳酸生成にシフトし、エネルギー効率が悪化するためAMP/ATP比が増加する。このたえAMPKが活性化してACCのリン酸化が起き、マロニルCoAが作られなくなる。このため脂肪酸の酸化が促進される。
インスリンのシグナルが遮断された状態なのでグルコースがない(=飢餓状態)と同様になりエネルギー源が脂肪にシフトするという状態。筋肉が分解されてアミノ酸の放出が増えるのも飢餓と同様。詳しくは生化学の教科書を見てね。