静かに

「いい月の晩ですね。」
「シーッ、静かに。」
「何をしているんですか?」
「聞いているんですよ。月の音をね。」
「月の音?」
「こういうよく晴れた晩にね、月を一人眺めていると、波のような音が聞こえることがあるんですよ。」
「ホントニー?自分の心臓の音じゃないの?」
「じゃああなたもやってみますか?」