男性は少し飲んだほうが糖尿病になりにくい?

Joosten MM., Chiuve SE. et al. Changes in alcohol consumption and subsequent risk of type 2 diabetes in men. Diabetes 2011;60:74-79
Health Professionals Follow-Up Studyの参加者から1990年に糖尿病の診断を受けていなかった38031名の男性を抽出した。食品質問票を用いてアルコールの摂取量を評価し、4年ごとに再評価した。428497人・年の経過観察で1905名の新たな2型糖尿病の発症を認めた。だいたい10年あまり観察したら5%くらい糖尿病が出たということになる。アルコールの摂取量の変化と糖尿病新規発症について検討すると、もともと飲まなかったか、15g未満のアルコール(だいたいビール500ml以内)しか飲まなかった人は7.5g/日のアルコール摂取増加によって糖尿病になるリスクが減った(!?)。もともと飲まなかった人の危険度は0.89倍(95%信頼限界 0.6-1.0)、もと15g未満の摂取者で飲酒の増えた人の危険度は0.89倍(0.83-0.96)だった。15g以上とっていた人でもリスクは有意には増えなかった(HR 0.99;0.95-1.02)。アディポネクチンとHbA1cについても同様の傾向を認めた。つまり、酒を飲まないか、軽くしか飲まない人はアルコールで29.9g以内で飲む量を増やしたほうが糖尿病のリスクが低くなった。オランダとボストンの研究。この研究は男性のみなので女性では別の可能性がある。女性はアルコール分解力が落ちるので。アルコールで29.9gだとワインや日本酒で200ml、ビールで600mlくらいだから全部がビールだと腹が出てしまいそう。