ALK阻害薬Crizotinib 非小細胞肺がん

Kwak EL., Bang YJ et al. Anaplastic lymphoma kinase inhibition in non-small-cell lung cancer. New Eng J Med 2010;363:1693-1703
crizotinibはがんでみられる遺伝子転坐によるチロシンキナーゼEML-ALKの阻害薬だ。非小細胞癌1500例を調べたところEML-ALKの組み換えが82例に認められた。Crizotinibを250 mg 1日2回の治療で46名は腫瘍が縮小し、1名では完全に消失した。腫瘍の増大なしに6カ月生存した率は72%だった。82名のうち63名はなお薬を継続中で延命の中央値はまだ伸びる可能性がある。副作用は軽度の消化器症状のみだった。
例数が少ないので予期せぬ副作用(肺線維症とか)がないとは言い切れないが有望そうだ。しかしALKの変異を発見した間野教授のグループからはすでに耐性の変異の報告がある(同じ号)