セラミドとインスリン抵抗性

Ussher JR., Koves TR et al. Inhibiton of De Novo ceramide synthesis reverses diet-induced insulin resistance and enhances whole-body oxygen consumption. Diabetes 2010; 59:2453-2464
肥満に伴い筋肉に脂肪代謝物がたまるとインスリンの作用が悪くなるという説がある。悪い「代謝物」とはジアシルグリセロールとセラミドと考えられている。セラミドの合成過程で律速段階の酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ-1(SPT-1)を阻害するとインスリン抵抗性が改善するか調べた。マウスを高脂肪食で肥満にすると筋肉のセラミドが増えるが肝臓のセラミドは変わらない。SPT-1の阻害薬ミリオシン(myriocin)を投与すると筋肉のセラミドは減少するがジアシルグリセロールは変わらなかった。インスリン抵抗性はミりオシンで改善した。またミリオシン投与を受けたマウスでは酸素消費量が増えた。