CD69は自己免疫性心筋炎を阻害する

Cruz-Adalia A., Jimenez-Borreguero LJ et al. CD69 limits the severity of cardiomyopathy after autoimmune myocarditis Circulation 2010; 122:1396-1404
心筋炎はウイルスの感染などで起きる一過性の心不全のもとだが、感染が終わったあとも心筋の線維化が残って心不全を起こすことがある。これに関係する免疫調節因子としてCD69の意義を調べた。CD69の欠損したマウス(CD69-/-)に実験的自己免疫性心筋炎(EAM)を誘発して心不全の程度を正常マウスと比較した。CD69-/-マウスでは心筋から流れ込むリンパ節のTh17リンパ球(炎症促進作用がある)が正常マウスより増加していた。CD69-/-マウスではEAM誘発後の心筋の収縮が悪く、心筋の線維化がすすみ体重あたりの心臓重量が増加していた。CD69は炎症を調節して心筋に影響するTh17リンパ球の誘導を阻害しているようだ。