可溶性RAGEが単球の分化を促進?

Wang Y., Wang H. et al. sRAGE induces human monocyte survival and differentiation. J Immunol 2010; 185:1822-1835
RAGEは糖化終末産物(AGE)の受容体であると同時にHMGB1、S100Bなどの受容体でもある。可溶性のRAGE(sRAGE)はRAGEのシグナル伝達を抑制する…はずだ。しかしsRAGEタンパク質を精製してマウスの気管に注入すると肺に単球と単球から分化したマクロファージが増える。単球のマクロファージへの分化はsRAGEで促進され、sRAGEは単球に直接結合し、分化に伴って結合が増える。ヒトの単球とマクロファージはsRAGEの刺激によりAkt、Erk、NF-κBの活性化が起こった。
sRAGEがRAGEを介したAGEの作用をストップするならわかるが、直接単球に作用するというのは細胞膜上の何に結合しているのかがまず疑問。受容体の可溶性のものが一種のリガンド(刺激因子)として働くという逆転の発想的現象だ。ホントかな?