心筋梗塞後糖尿病の薬をやめて退院するとよくないらしい

糖尿病患者が心筋梗塞で入院すると、入院中の病院食で血糖が改善して退院時にはそれまで飲んでいた血糖降下薬なしで退院することがある。これが退院後1年の死亡に関係するか調べた。メディケア(米国の公的医療保険の一種)の受益者のうち糖尿病があって心筋梗塞後退院した24953名の予後を後ろ向きに解析した。一次アウトカムは退院後1年以内の死亡までの日数、二次アウトカムは退院後1年までの心筋梗塞心不全、その他の理由の入院までの日数である。少なくとも1種類の血糖降下薬を飲んでいて入院した患者は8751名いた。うち7581名は薬をのんだまま退院し、1170名は薬を中止して退院した。多因子で補正した結果、薬を飲まないで退院した患者は1年後までの死亡率が高かった(ハザードレシオ1.29 95%信頼限界 1.15-1.45)。再入院の率は有意差がなかった。退院後以前の食生活にもどると血糖が上昇してこれが足をひっぱっている可能性がある。
Lipska KJ, Wang Y et al. Discontinuation of antihyperglycemic therapy and clinical outcomes after acute myocardial infarction in older patients with diabetes. Circulation: Cardiocascular Quality and Outcomes 2010, doi:10.1161/CIRCOUTCOMES.109.887620