Nedd4-1は心臓の発生に必要

Nedd4-1はHECTドメインを持つユビキチンリガーゼ(E3)である。他のタンパクのユビキチン化を触媒してそのタンパクの分解促進や機能調節を行っていると考えられる。Nedd4-1遺伝子をつぶしたマウスは心臓の発達が異常になり妊娠中期で死亡する。Nedd4にはNedd4-2という別の遺伝子があるがこれだけでは助からないらしい。まだ死亡していないNedd4-1欠損胎児胎児の組織から得た細胞を培養して発現している遺伝子を正常の胎児のパターンと比較するとトロンボスポンジンー1(Tsp-1)が増加していた。Tsp-1は血管新生抑制因子である。アスピリンはTsp-1の阻害薬であるが、Nedd4-1の遺伝子を2コピーのうち片方つぶした(ヘテロ)マウスにアスピリンを飲ませるとNedd4-1欠損胎児の死亡がかなり助かって生まれてくる。
Fouladkou F, Lu C et al. The ubiquitin ligase Nedd4-1 is required for heart development and is a suppressor of thrombospondin-1 J Biol Chem 2010;285:6770-6780