PPARαのSUMO-1化は転写を抑制

ユビキチン様の修飾タンパクSUMO-1はC末端のグリシンが他のタンパクのリシンに共有結合される。ユビキチンではE1,E2,E3の3種類のタンパクが他のタンパクへの結合のために必要だが、SUMO-1の場合も同様でE2はUbc9、E3はPIASyというのがある。高脂血症治療薬のフィブラートのターゲットである転写因子PPARαはSUMOー1によりリシン185が修飾される。PPARαは中央のDNA結合ドメインとC末端側のリガンド結合−転写活性化ドメインがあるが、リシン185はそのつなぎ目にある。転写活性化は転写活性化ドメインにコアクティベーターのSRC1とCBP/p300の結合による。逆にコリプレッサーのNCoRやSMRTが結合すると転写は抑制される。PPARαがSUMO-1化されるとNCoRが結合して転写が抑制される。この場合SMRTはつかないようだ。
Pourcet B, Pineda-Torra I et al. SUMOylation of human peroxisome proliferator-activated receptor αinhibits its trans-activity through the recruitment of the nuclear corepressor NCoR. J Biol Chem. 2010;285:5983-5992