酸化LDL(低比重リポタンパク)と酸化ストレス


Takabe W, Li R et al. Oxidized low-density-lipoprotein-activated c-Jun NH2-teminal kinase regulates manganese superoxide dismutase ubiquitination. implication for mitochondrial redox status and apoptosis. ATVB 2010, doi:10.1161/ATVBAHA.109.202135
酸化LDLは血管内皮の酸化ストレスを増加させてアポトーシスを促す。酸化ストレスを抑えるタンパクのMn-SODのmRNAは酸化LDLにより減少しないが、タンパクレベルは低下する。タンパク分解を亢進させるユビキチン化を見ると酸化LDLによりMn-SODのユビキチン化が増加する。この間にはJNKが関与していてJNKをsiRNAで減らすとMn-SODのユビキチン化が抑制される。酸化LDLはアポトーシスを誘導するカスパーセ3を活性化するが、JNKのsiRNAはこれを抑制しMn-SODのsiRNAは促進する。JNKによるMn-SODの直接リン酸化があるかどうかは記載されていないが、ユビキチン化されるタンパクにはそれをマークするリン酸化がおこることはよくある。おそらくJNKがMn-SODをリン酸化して特異的ユビキチンリガーゼに認識されやすくするか、ユビキチンリガーゼの活性化にJNKが係っているのだろう。