脂肪肝、メタボ、がん、ストレス

Hamaguchi E, Takamura T et al. Histological course of nonalcoholic fatty lover disease in Japanese patients. Tight glycemic control, rather than weight reduction, ameliorates liver fibrosis. Diabetes Care 2010;33(2):284-6
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の患者39名に肝臓の生検を行って平均2.4年フォローした。肝臓の繊維化は30.7%で改善、28.2%で進行、41%で不変であった。多変量解析ではHbA1cインスリンの使用が改善と有意に相関したが、HbA1cの改善度が最も強く相関した

Thorp AA, Healy GN et al. Deleterious associations of sitting time and television time with cardiometabolic risk biomarkers. Diabetes Care2010;33(2).327-334
糖尿病と診断されていない30歳以上の女性2761名男性2103名(平均54歳)でウエスト、BMI、血圧、中性脂肪HDLコレステロール、空腹時と負荷後2時間の血糖、空腹時のインスリンを調べた。自己申告式の座っている時間とテレビを見ている時間をこれらのマーカーと比較した。…ご苦労なことだが、予想通り座っている時間とテレビを見ている時間が上記の心血管疾患危険因子と恐ろしいほど相関した”deleteriously”と何回も繰りかえされているので相当強い相関があったらしい。

Landman GDW, Kleefstra N et al. Metformin associated with lower cancer mortality in type 2 diabetes. ZODIAC-16. Diabetes Care 2010;33(2):322-6
オランダで行われたZODIAC研究に1998-1999年に参加した1353名の糖尿病患者の生死を2009年に調べた。570名が死亡しうち122名が悪性腫瘍であった。糖尿病がない人と比べて悪性腫瘍の危険度は1.47倍と有意に高かった。治療にメトフォルミンを使っているひとはそうでない人と比べて悪性腫瘍による死亡のリスクが0.43倍であった。研究のデザインからはメトフォルミンがこの原因かどうかはわからない。

Pyykkönen AJ, Räikkönen K et al. Stressful life events and the metabolic syndrome. Diabetes Care 2010;33(2):378-384
フィンランドで18-78歳の地域住民からランダムに選ばれた男女について15種類のストレスとなるイベントとメタボリックシンドロームの有無を比較検討した。メタボの定義はNCEP-ATPⅢによった。仕事とお金のストレスが最もメタボと相関していた。ストレスになるイベントが3個以上重なると危険度はさらに悪化した。ストレスとなるイベントが増えるとインスリン抵抗性、肥満、中性脂肪が悪化した。これは性別、生活習慣、年齢、糖尿病の家族歴とは無関係であった。