淡蒼球

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo1960/37/11/37_11_626/_pdf/-char/ja

顕性脳症の既往のない肝硬変25例に対して頭部MRI-inversion recovery法で淡倉球信号強度比を測定し,その臨床的意義を検討した.淡蒼球信号強度比は顕性脳症のない肝硬変症例の56%に異常値を示し,肝硬変の進展と並行して高値を示した.一方聴性脳幹反応I-V波潜時と淡蒼球信号強度比,血液検査値との間には有意な相関関係はみられなかった.MR施行時から12ヵ月の経週観察では,信号強度比の異常高値を示した5例のうち3例が顕性脳症を発症し,淡蒼球信号強度比測定が顕性脳症の前段階を客観的にとらえる新たな指標として臨床応用可能と考えられた.