どちらも正解

美大を出て地元でOLをしていた作者は高校時代からお世話になった恩師の絵画教室でチューターのアルバイトを兼務していた。ぎりぎりの生活のなかで仕上げた原稿が認められ雑誌掲載にこぎつけるが、駆け出しの作家は次々舞い込む仕事のオファーに必死に食らいつこうとする。そこへ突然恩師のがんの知らせが届く。絵画教室を引き継いでほしいという恩師の願いと、作家として認められたいという思いに引き裂かれる作者。結局教室から逃げるように仕事に舞い戻ってしまうのだが、どちらが正解か?どちらともいえない。教室を引き継ぐことで報いることもできたはずだが、作品に残すことでこの独特な師の姿を多くの読者に届けたのだから。