アルツハイマー病はプリオン病の一種なのか?

Evidence for human transmission of amyloid-β pathology and cerebral amyloid angiopathy

Zane Jaunmuktane Nature 525, 247–250 (10 September 2015) doi:10.1038/nature15369
1985年まで利用されていたヒトの下垂体由来成長ホルモンの投与を受けた人から200人余りのクロイツフェルトヤコブ病が発生した。比較的若年で亡くなった(35-51歳)の患者8人の剖検で4名の脳からクロイツフェルトヤコブ病の病因となるプリオンたんぱくのほかにアルツハイマー病に特徴的なアミロイドAβの沈着を認めた。沈着は灰白質と血管に認めた。これら4人はアルツハイマー病のリスクを高めるApoE4εの遺伝子を持っていなかった。成長ホルモン投与を受けていないプリオン病116名の剖検ではこの年齢域でアミロイドAβの沈着を認めなかった。Aβの沈着を認めた患者の下垂体にはAβの高度の沈着を認めた。アルツハイマー病のプリオンと同様にアミロイドAβが下垂体由来の成長ホルモンに混在して輸入され病原となった可能性がある。