なぜ原理主義が好きな人がいるのか

○○原理主義といったものは世の中にたくさんある。原発反対とか食品添加物反対とか西洋医学否定とか。これらの主張をする人たちの中にはきちんと理屈を調べて納得しているひともいれば、表面的な説明で飛びつくひともいる。陰と陽が入り混じった複雑な現実に対して自分の頭で判断するというのは本当はひどく不安で孤独なものである。だれかに「これはこうだよ」と断言してほしい願望はよっぽど独立独歩のヒトでないかぎり残るだろう。批判を許さない主張をする団体にいる人たちは主に帰属意識のためにそうしているのだと思う。自分がそうありたい、そうしてほしい、という願望にイエスといってくれる仲間がいるのだから。ただ、問題は一度その仲間に入ってしまうと「これはちょっと違うんじゃ?」と思っても批判しにくくなってしまうことだ。情け容赦のない現実からNOを突きつけられるまで仲間内ではドクトリンの信奉が揺るぐことはない。それは仲間同士の帰属意識の柱なのだから。というわけで○○原理主義的な考え方をする人たちに理屈で説明しても無駄である。「こっちへおいでよ。そこにこもっていなくても安全だよ」と言ってあげる方がいい。