2015-04-10 春の丘 フィクション いつの間にやら春になった 土手の草はらには黄色いはながいっぱい 森の梢には薄黄緑の芽吹きが萌えだす 時間のながれさえリズムを変えたみたいにここに君がいてくれたら いや、君はそこにいるじゃないか?影ではなくて? かつてそこにいた君は進化して別の君になったのだね もはや私を必要としないくらいにモンシロチョウのたかったキャベツみたいに 穴のあいた葉っぱの間からさなぎを脱ぎ捨て 君は飛び立っていく君のその羽根が 少々の雨には耐えられるような 鱗粉でおおわれていると信じよう