FABP4を減らすとUCP2を増やして過剰な脂肪による炎症を抑える

Uncoupling Lipid Metabolism from Inflammation through Fatty Acid Binding Protein-Dependent Expression of UCP2
1. Hongliang Xua,
Mol. Cell. Biol. March 2015 vol. 35 no. 6 1055-1065
FABP4/aP2をノックアウトすると肥満による炎症が起こらなくなる。FABP4ノックアウトマウスのマクロファージでは遊離脂肪酸と脱共役蛋白2(UCP2)が増えている。これが脂肪過多による炎症反応を抑えるようだ。パルミチン酸は細胞の小胞体ストレス(ERストレス)を増やす。ERストレスの現れであるBip、CHOP、XBP-1sはパルミチン酸やLPSの刺激で増えるがFABP4をmiRNAで減らしたり、FABP阻害薬HTS01037で処理するとUCP2が増えてBip,CHOP、XBP-1sが増えなくなる。逆にあらかじめFABP4をノックアウトした細胞に改めてFABP4を発現させるとERストレスが出やすくなる。これは脂肪酸と結合できないFABP4の変異体R126Qを発現させた場合には起こらない。FABP4に結合していない遊離の脂肪酸がUCP2を誘導する作用があり余分の細胞内の脂肪酸を燃やして処理する作用があるようだ。