面白ければいいんじゃないか?

「これが何の役に立つんですか?」
「いい質問ですね。何の役にたつか考えてみましたか?」
「いや、ちょっと見当がつかなくて。」
「正直に言えば我々も何の役に立つのかはわからないのだけど、何か面白そうだからやってるんです。」
「そんなのってありですか?」
「何トンものクラゲから色素タンパクを抽出するのってばかばかしいほど労力を要すると思いませんか?別に薬にできるとか儲けにつながりそうな当てもないのに。」
「わたしならやりたくないですね。ふつうに頭のいい子なら逃げますよ。」
「でもそのおかげでいまgreen fluorescent proteinが使えるんですからね。」
「ただ面白そうだからやるっていうのでいいってこと?」
キュリー夫人だってパリに来る前はポーランドで家庭教師のバイトをしながら独学で物理学を学んでいたっていう話ですからね。別にノーベル賞がとりたくてやってたわけじゃないと思いますよ。」