不思議の国のメロス2

「森の中の小川にかかった橋にさしかかるとサルがいいました。『一休みしましょう。リンゴ食べていいですか?』リンゴを一口かじるとサルは目を回して川に落ちてしまいました。メロスはあわてて追いかけます。流れに浮かんだサルのおしりは大きな桃のようにドンブラコと流れていきます。そのうちとある岸辺に流れ着きました。通りかかったおばあさんは目を丸くしていいます。『おやまあ』」
「しりから生まれたしり太郎とかじゃないよね?」
「まあそう先を急がないで。そこへメロスが息を切らしてやってきました。『大丈夫かサル?』引き起こして目を開けさせてみると瞳孔が針の孔のように小さくなっています。『典型的な有機リン中毒の症状だわ。解毒剤をあげましょう。』とおばあさん。『ありがとうございます。ずいぶんお詳しいですね?』とメロス。『いえね、娘がいろいろ怪しいものを送ってくるのでこっちも準備しておかないとね。』『もしかして娘さんて赤の女王のことですか?』『あら知ってらっしゃったの?よく無事で生きてこれたわね。あの子のそばで生き残るのは容易じゃないわよ。』」
「なんか怪しい話になってない?」
「ここは不思議の国だからね。」