経済的人間から実在の人間へ

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)

行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)

古典的経済学が想定している合理的主体ではなく、誤謬に付きまとわれ非合理な選択をしてしまう実在の人間をどう扱うか?禁煙を誘導するためのたばこ税はどの程度が合理的かというシュミレーションは、現在と未来の利益に対する選好の違いとリスクに対する許容性の違いによって影響される。こういう考え方は生活習慣病の対策に行動経済学的アプローチを組み入れていく手がかりになるはず。ところで著者は大学院の指導教官を選ぶとき恩師に何度もダメだしをされ、恩師の見込んだ行動経済学の師に行き当たるまで誘導されたのだとか。学恩は大事だね。