下剋上

下剋上を中国語に訳すと以臣压君,下克上,以下犯上だそうだ。韓国語に訳すと하극상 だそうだがこれは日本語の漢字を韓国語読みしただけのようだ。下剋上は本当はやっている下のものの方に深刻な悩みがある。正当な秩序に反抗しているのではないか?という道義的な悩みが消しにくいからだ。本気の闘いになると少しでも迷いのある方が滅びる。そこで下剋上をする方では自分を正当化するために建前とか見かけだけではなく本当に真剣に考える、というか真剣に考えたものだけが一時的な勝利を超えて生き残る。ダーウィンの進化論も英国がインドを植民地化することが本当に正義なのか?という問いに明快な答えを与えるから重要なのである。今ではともかく、昔は文化的に中国やインドと比べて劣っている面のあった英国が人口でも上回る大国を支配する意味とは何か?進化論的な観点から言えば優れた統治のシステムを作り上げた国が自然的、人的資源を有効に活用できていない国を代わって統治してあげることは善である。進化論を広めるためにわざわざNatureという雑誌まで作っているくらいだから政治的に重要な意味があったのである。そこへいくと原理主義者が進化論を否定しているアメリカは底が浅い。唯一の大国となったとしてもただマッチョなだけである。尖閣うんぬんで中国との対立が深まっているかのように報道されているが、本当はどうでもいいことである。近隣の国民たちが持てる人的、自然的資源を有効に活用してお互い幸福になる方法を真剣に協議すればいいだけのことである。表面的な対立に流されると戦争準備で儲かる人たちに踊らされていることになる。