2013-08-09 暗号 フィクション 「アサギマダラっていう蝶がいるでしょ?」 「渡りをする蝶だね。」 「こういう長距離を移動する蝶に情報の運び屋をさせるってのはどう?」 「わざわざそうする価値があるならね。」 「情報をATGCでコード化した核酸を合成してインクに混ぜて蝶の体に塗っておくのさ。暗号のカギはPCRに用いるプライマーの配列とコード化のカギで二重化できるよ。」 「まあ可能かもしれないけどひどく危なっかしい運び屋だね。途中でカラスに食べられちゃうんじゃないの?」 「でも蝶は生き残ってるからねえ。」