保護主義の末路

1930年のスム-トホ-リ-法以後失業率は9から25%に悪化
memo26さんのブログから

保護貿易主義が大恐慌を招く、と経済学者が考える理由は何だろうか。答えは、企業が海外市場でシェアを失うからであり、またアメリカの労働者が安価な輸入品の恩恵を受けられなくなるからである。つまり高い関税は、労働者の実質所得を押し下げることになる。スムート=ホーリー法が可決されてから二年足らずのうちに、世界の二五ヵ国が自国産業保護のためと称して報復関税を課すようになった。一九二九年のアメリカのGDPは一〇四〇億ドル(名目、インフレ調整前)で、財の輸出は五二億ドルだったが、三年後の一九三二年にはGDPは六八〇億ドルに縮小し、輸出はわずか一六億ドルにとどまっている。
 スムート=ホーリー法が大恐慌の原因となったかどうかはさておき、この法律が雇用を創出しなかったこと、輸入を堰き止めて実質所得を減らしたことは、火を見るより明らかだ。今日、アメリカの雇用を守る目的で、中国や日本やその他あれこれの国からの輸入品に高い関税をかけようと主張する人が少なからずいる。しかしこういう人たちは、スムート=ホーリー法成立後に何が起きたかをとっくりと見るがよい。アメリカでは何百万もの職が奪われ、一九三三年には失業率が二五・一%に達した。