糖尿病患者の心臓のまわりの脂肪が悪さをする

Secretory Products From Epicardial Adipose Tissue of Patients With Type 2 Diabetes Mellitus Induce Cardiomyocyte Dysfunction Sabrina Greulich Circulation.
2012; 126: 2324-2334 Published online before print October 12, 2012,
心臓のまわりの脂肪組織はepicardialとpericardialに分類される(Obesity (2009) 17 4, 625. doi:10.1038/oby.2008.575 Epicardial and Pericardial Fat: Close, but Very Different Gianluca Iacobellis1)。epicardialの方が心筋に近い。epicardialの脂肪組織(EAT)から何か分泌されてこれが心筋の運動を阻害する、という仮説を検証した。心臓手術の際に糖尿病患者と糖尿病のない患者からEATを採取した。これを培養して培養液をラットの心筋細胞に振り掛けて収縮に対する影響を調べた。対照として皮下脂肪とpericardialの脂肪組織を用いた。EATの培養液には心筋収縮を阻害する物質があり、activin Aがその候補である。EATにはCD14陽性の細胞が侵入しており、これが出すらしい。EATの培養液をかけた心筋では収縮が低下し細胞内のカルシウム濃度が低下、AktキナーゼのS473リン酸化の低下、筋小胞体のATPase 2aの発現低下を認めた。