チンパンジーのアイコに色を表す記号を教えると色のカードを見せて記号を選ばせるテストは難なくこなせるようになる。ところが色を表す記号を見せて色のカードを選ばせるテストでは戸惑ってしまう。チンパンジーの世界では象徴と象徴されるものが一対一に対応していないらしい。後者のテストを繰り返し練習させると色の記号と色が一対一に対応するようになる。さて、人間で「赤、青、緑、黄」をそれぞれ字の意味とは異なる色でプリントして、色の名前の方を言ってもらうと少なからず遅れが出る。これは字の意味の解釈と色の判断がごっちゃになって混乱するからである。アイコで同様の実験をするとやはり遅れが出る（「想像する力」より）
