タルク

BSプレミアによると藤田嗣治は裸婦の乳白色の肌を描くためにベビーパウダーなどに使われるタルクをキャンバスに塗りこんでいた。タルクの層状の結晶に絵の具の油がとりこまれるため、てかりが無くなる。また墨が載り易くなる(油絵の具の上に墨を置くとはじかれてしまって上手く描けない)。これにより墨の細い線で輪郭を描くことが可能になる。出世作になった絵のモデルだったキキが戦後亡くなって埋葬されるときの藤田の写真は戦友を見送る男のよう。