インフラマソームが腸内細菌のパターンをコントロールする

Inflammasome-mediated dysbiosis regulates progression of NAFLD and obesity Jorge Henao-Mejia, Nature (2012) doi:10.1038/nature10809
NAFLDはアルコールによらない脂肪肝メタボリックシンドロームの表れでもある。一部は肝炎の状態(NASH)となり最終的に肝硬変、肝がんへと進行する。NAFLDからNASHへの進行を規定する因子の一つは消化管から流入する細菌の毒素と考えられている。腸内細菌のパターンはインフラマソームを介したメカニズムで調整を受けていてNLRP3、NLRP6がないと腸内細菌のパターンが変化して門脈に流入する毒素が増える。この結果NAFLD、NASHが悪化する。腸内細菌のパターンはマウスを同じケージに入れているとうつるようである。NLRP3インフラマゾームの構成因子の一つAscをノックアウトすると腸内細菌がNAFLDを悪化させるタイプに変化するが、同じケージに入れられた正常マウスまでこの影響を受けてしまう。正常マウスだけで暮らしている場合よりも高脂肪食を食べたときの肝臓の脂肪化が悪化するのだ。
食事を一緒にする相手は選びたいものだ。