mobilopathy

Diabetic Stem-Cell “Mobilopathy”John F. DiPersio N Engl J Med 2011; 365:2536-2538December 29, 2011
化学療法のあとに白血球を増やすのにG-CSFやGM-CSFが使われる。造血幹細胞(HSC)は骨髄の微小環境では骨芽細胞と網状細胞に発現したCXCL12にCXCR4を介してくっついている。網状細胞(reticular cell)には交感神経が分布していて神経系に発現するネスチンが発現している。交感神経で刺激すると網状細胞のCXCL12が減る。G-CSFは骨芽細胞を減らすのと網状細胞のCXCL12を減らしてHSCの末梢血への移動を促す。CXCR4の阻害薬AMD3100(plerixafor)はG-CSFによる末梢HSC動員を増強する。糖尿病ではG-CSFによるHSCの増加が不十分なことがあり、これは交感神経刺激による網状細胞のCXCL12発現低下が不十分であるためのようだ。糖尿病患者ではplerixaforをG-CSFと併用するとHSCの動員が正常化すると予想される(まだ患者では試していない)
骨髄由来の幹細胞は血管や心筋のの障害部位を修復する役にもたつから糖尿病で心血管病変が多いことの一因なのかもしれない。