暇つぶしのお話5

「ハベリの国がオアスアを支配下に置いたために交易路には軍隊が駐留して安全になりました。」
「駐留ってなに?」
「ただそこにいるってことだよ。」
「そこにいる人をいじめたりしないの?」
「それは王様しだいだね。厳格な王様だとしつけが行き届いているから悪さはしないさ。」
「ハベリはいい王様?」
「いい王様っていうのがどういうものかというのは理解していてそうなろうと努力したってとこかな。」
「私だったらいい奥さんというものがどういうものか理解してそうなろうとするよ。」
「そんなにいい子ぶらなくってもいいよ。」
「それからどうなったの?」
「西の国からいろいろ珍しいものが入ったのでハベリとアリオリの国の人たちは贅沢がどういうものか知りました。」
「ブランドみたいだね。」
「アリオリはアモスに王妃にふさわしい豪華で気品のある品物を買い与えました。」
「いい旦那さんね!」
「王様とか上に立つ人たちは権威を見せびらかすことも重要な役目なんだよ。政治的な意味合いもあるんだな。」
「セレブの役目ね。」
アモスをファッションリーダーにした形でアリオリの国の大貴族たちはこぞって贅沢な品物を買い求めました。」
「ハベリはもうかっちゃうね。」
「いいところに気づいたね。ハベリの国は乾燥地帯で作物はたくさん取れませんでしたが、商売はどんどん儲かるようになっていきました。」
「みんなハッピーだね。」
「そうとも言い切れないこともあるんだな。」
「どんなこと?」