Google時代の学問

サイエンス誌の記事を報道したITmediaニュースから孫引き

まず、被験者は一連の難しい雑学知識の質問に答えさせられる。その直後に基本的な色名テスト(ストループ課題)を受ける。GoogleYahoo!といった検索エンジンに関連する単語への反応時間(が短いこと)は、難しい質問に答えた際に情報入手方法として検索エンジンについて考えていたことを示す。

 次の実験では、被験者は文を読まされ、その後で文を覚えているかどうかテストされる。文が後で(例えばインターネットで)確認できると知らされた被験者は、削除されたと知らされた被験者よりも記憶テストの結果が悪かった。

 3つ目の実験では、被験者は読まされる複数の文が、ネットで広く確認できるもの、特定の場所に保管されるもの、削除されるものの3種類あると知らされると、削除される文を最もよく覚えた。

 4つ目の実験では、被験者は雑文を入力させられ、それが5つのフォルダのうちの1つに保存されると信じさせられる。保存後に被験者にフォルダの名前と文の内容を思い出させたところ、フォルダの名前の方をよく覚えていた。この結果から、人は情報自体よりも、情報がどこで入手できるかを覚えていることが分かるとしている。

 スパロウ氏は、検索エンジン時代の記憶法方についてより深く理解することには、教育や学習の方法を変える可能性があるという。教育者は記憶力ではなく、理解力や思考方法に重点を置くようになり、学習者は既成事実の把握ではなく、理解することに集中するようになるだろうと同氏は述べる。

検索でそれらしい説明の文章を見つけたが理解できない、というのが最も悲しいところ。理解できなかったらさらにどう突っ込めばいいのか?を考えるのがこれからの教育か?