持続効果型インスリンの追加が血管障害を改善する?

Fadini G.P. et al. POptimized glycaemic control achieved with add-on basal insuln therapy improves indexes of endothelial damage and regeneration in type 2 diabetic patients with macroangiopathy:a randomized cross-over trial comapring detemir versus glargine. Diabetes, Obesity and Metabolism 2011; doi: 10.1111/j.1463-1326.2011.01396x
経口血糖降下薬でコントロール不良の患者に持効型インスリン(デテミルまたはグラルギン)を追加して血管障害にかかわるマーカーがどう変化するか調べた。3か月交代でデテミル/グラルギンまたはグラルギン/デテミルを使用して血中の血管内皮前駆細胞(EPC:血管の修復に働く)の数、流血中の血管内皮細胞(CEC:血管から剥がれ落ちたものと考えられる)、接着分子のICAM-1、VCAM-1、E-selectin(動脈硬化を悪化させる分子)を調べた。42名が研究を完遂。ICAM-1、VCAM-1、E-selectinは3か月で有意に低下、6か月でさらに低下した。EPCは3か月では変化なく6か月で有意に増加した。CECは低下し6か月で有意に下がった。これらの効果にはデテミルとグラルギンで有意差がなくHbA1cの低下にも有意差はなかった。低血糖の頻度と体重増加はデテミルの使用時のほうが少なかった。
デテミルのほうが脳にも作用して食欲を抑制するという説がある。42名という少数で本当に差があるほど体重増加が違うのか疑問ではあるが結果は結果である。