HSD1阻害薬の今一つな効果

Feig PU., Shah S et al. Effects of an 11beta-hydroxysteroid dehydrogenase tpe 1 inhibitor, MK-0916, in patients with type 2 diabetes mellitus and metabolic syndrome. Diabetes, Obesity and Metabolism 2011; doi: 10.1111/j.1463-1326.2011.01375.x
11βヒドロキシステロイド脱水素酵素(HSD)はコルチゾールをコルチゾンにして活性を抑える。逆の方向の反応ではコルチゾンが活性化してコルチゾールとなり、インスリンの作用を悪くする経口ステロイドのような作用を表すもとになる。内臓脂肪でHSD1が発現するとコルチゾールが増えてしまう。これを抑えるくすりとしてMK-0916が開発された。多施設の共同研究でヒトの糖尿病とメタボリックシンドローム(MS)に使用された。MK-916を6㎎服用して12週の段階で食後血糖は改善しなかったがHbA1cは0.3%低下した。意外にもLDLコレステロール(いわゆる悪玉)が10.4%増加(?)した。血圧と体重はいくらか低下した。
HSD1はMSではいいターゲットかもしれないと思われたが食後血糖が減らずLDLが増えるのでは心血管には優しくないな。